ナイジェリア政府が世界最大の暗号資産(仮想通貨)取引所であるバイナンス(Binance)を相手に総額815億ドル(約12兆円)規模の訴訟を提起した。

19日(現地時間)、ナイジェリア連邦国税庁(FIRS)が、バイナンスがナイジェリアの法定通貨価値の下落に影響を与えたと主張し、20億ドルに達する未納税金と790億ドルの経済的損害賠償を要求していると現地メディアが報じた。

現地メディア「Nairametrics」によると、ナイジェリアの総通貨供給量(M2)は2025年1月基準で前年比17%増加し、これにより現地通貨の価値が下落したことが分かった。

FIRSは、バイナンスが2022年と2023年の間にナイジェリア内で重要な経済的存在を持っているにもかかわらず、税金を適切に納付しなかったと主張した。 また、バイナンスが未納した税金に対して26.75%の利息まで追加で支払うことを要求しており、ナイジェリア・ナイラ(NGN)の価値下落にバイナンスが貢献したと主張している。

これに先立ち、ナイジェリア当局は2024年2月、バイナンスの役員であるTigran GambaryanとNadeem Anjarwallaを逮捕した。彼らは税金詐欺とマネーロンダリングの容疑で逮捕されたが、FIRSはその後、2人の役員に対する税金関連の容疑を取り下げた。

ナイジェリア政府は2024年2月、バイナンスとの定期的な協議のために訪れたGambaryanとAnjarwallaを突然拘束し、バイナンスに対する法的攻勢を開始した。

バイナンスは2024年3月、役員が逮捕された後、プラットフォームでのナイジェリア取引きを全面的に停止した。これは、ナイジェリア政府が、バイナンスでの取引が自国通貨の価値を不安定化させたと主張したことによるものである。

2024年10月、ナイジェリア経済金融犯罪委員会(EFCC)はGambaryanに対するマネーロンダリング容疑を取り下げた。そして同月23日、Gambaryanは約7ヶ月間の収監生活と複雑な法的攻防の末に釈放され、ナイジェリアを去った。
2025/02/21 10:15
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