「Opensea」のCEO、「韓国NFTマーケットプレイス氾濫しても“韓国1位”問題ない」(画像提供:wowkorea)
「Opensea」のCEO、「韓国NFTマーケットプレイス氾濫しても“韓国1位”問題ない」(画像提供:wowkorea)
昨年、ブロックチェーン業界の“ホットキーワード”は断然代替不可能トークン(NFT)だった。NFTの取引量と取引代金は果てしなく急騰し、6億ウォン(約6000万円)の猿のNFTまで出てきた。大企業であれ中小企業であれ、知的財産権(IP)を保有している企業なら誰もがNFT市場に参入した。国内(韓国)上場企業だけでも定款上の事業目的に「NFT」を追加する追加するケースは珍しくなかった。

 この流れはことしまで続いている。暗号資産(仮想通貨)下落が続く“クリプト冬”だというが、ゲーム会社からエンターテインメント会社、競売会社に至るまでNFT事業に新しく挑戦する企業は全世界的に着実に出てくる傾向だ。

 このような“NFTブーム”の中心にはOpenseaがある。取引量から見ても、顧客数から見ても断然世界最大のNFT取引プラットフォーム(マーケットプレイス)だ。

 NFTを発行しようとするアーティストならば、Openseaに作品を載せるのが当然の手順だ。Openseaがどんなブロックチェーンプラットフォームを支援するかによって、どんなプラットフォームを基盤にNFTを発行するかが決まる。NFTブームが起きる前から各種NFTを扱ってきたトップランナーであるだけに、これまでOpenseaは侵犯できない立場を構築してきた。

 しかし、永遠の1位はない、ラリブル(Rarible)やマジックエデン(MagicEden)、ルックスレア(LooksRare)など、“Openseaキラー”を自任したマーケットプレイスが絶えず出てきている。これに対してOpenseaはどう備えているのか、またOpenseaは大きくなったNFT市場をどう見ているのか。


■「ウォン貨決済マーケットに出ても韓国で1位を維持」…CEOの自信

 ニュース1によると、3日(現地時間)ポルトガル・リスボンのアルティス・アリーナで開催された「ウェブ・サミット(Web Summit)2022」の現場でおこなったインタビューで、Openseaのデビン・フィンザー(Devin Finzer)最高経営責任者(CEO)は「NFTマーケットプレイスが多く出てきているが、1位を守ることができる」と自信を示した。

 特に、韓国市場でも地位を固めることができると強調した。最近、SKテレコムなど国内大企業がウォン決済を武器に自主マーケットプレイスを披露しているにもかかわらず、Openseaが韓国の顧客を構築するには無理がないということだ。

 デビン・フィンザーCEOは「Openseaは米国企業であるために韓国のウォン貨を支援するのは難しいが、ユーザー経験(UX)を向上させて顧客のための機能を導入するのに支援を惜しまない」と述べた。続けて「マーケットプレイス自体として機能を向上させることに注力しているので、韓国市場でも地位を固めることができる」と自信を示した。

 これに対する根拠として彼は先月発売した「アナリティクス(分析)」機能を言及した。デビン・フィンザーCEOは「徹底的に顧客中心で機能を改編している。UXを向上させることができる機能を絶えず発売している」とし「最近はアナリティクス機能を導入し、顧客が取引状況を分析できるようにした」と説明。Openseaは最近、アナリティクス機能のベータバージョンを発売し、顧客が保有しているNFTのトレンドをさらによく調べられるようにした。

 各国の言語支援を増やしている点も根拠に挙げた。デビン・フィンザーCEOは「他のマーケットプレイスに比べて、顧客フィードバックを最も早く反映すると自信を持てる」とし「各国の言語支援も増やしている。最近は韓国語支援も始めた」と強調した。

 Openseaは現在、韓国語を含め計7言語を支援している。NFTが全世界単位で取引されるという点を考慮すれば、韓国語支援をかなり早く始めたほうだ。

 韓国語サービスを始めた背景についてデビン・フィンザーCEOは「韓国市場を非常に重要視しているため」とし「韓国は文化自体がNFTによく合う。K-POPのような韓国アイコンがNFTをうまく活用できるため、接近機会が多様な市場」と明らかにした。

 続けて彼は「Opensea自体は米国企業だが、韓国の顧客を引き入れることはOpenseaの成長において非常に重要だ」とし「有名な韓国のアイコン(インフルエンサー)をNFT市場にさらに引き込みたい」と付け加えた。

 韓国の利用者の接近性を高めるための手段としては、グラウンド・エックス(Ground X)とのパートナーシップを言及した。OpenseaはKakaoのブロックチェーン系列会社グラウンド・エックスと提携を結び、クレイトン基盤NFTの取引を支援している。

 デビン・フィンザーCEOは「グラウンド・エックスとはずいぶん前からパートナーシップを議論してきたし、パートナーシップを初めて発表する時も期待が大きかった」とし「クレイトン基盤の新しいNFTプロジェクトに大きな関心を持っている」と明らかにした。


■「NFT市場、再び生き返ること…ロイヤリティフリー政策は慎重に」
 
 同日のインタビューで、デビン・フィンザーCEOは韓国市場だけでなく、全体NFT市場に対する意見も明らかにした。「クリプト冬」が到来したことにより、NFT取引量もやはり確実に減ったが、彼は昨年水準のブームが再び来るとみた。

 デビン・フィンザーCEOは「正確な上昇場時期を予測することはできないが、展望自体は非常に楽観的」とし「ことしに入ってNFT取引量自体は減ったが、取引件数やマーケットプレイス別の顧客数は良い数値を維持している」と説明した。

 彼はMeta(旧:フェイスブック/Facebook)、ツイッター(Twitter)、インスタグラム(Instagram)など「Web2」基盤のソーシャルメディアが一斉にNFT市場に進入ているという点を根拠に挙げた。特にインスタグラムは最近、NFT発行から販売まで支援することにし、話題を集めた。

 デビン・フィンザーCEOは「MetaやインスタグラムのようなWeb2企業らがNFT市場に入ってきて、有名ブランドやクリエイターらも一斉にNFTを活用している」とし「このように新しいプロジェクトたちが多くなっただけに、NFT市場の未来は楽観的と評価せざるを得ない」と強調した。

 さらに彼は最近、ルックスレアやマジックエデンなど他のNFTマーケットプレイスが導入した「ロイヤリティフリー」政策に対する意見も明らかにした。

 ロイヤリティフリー政策とはアーティストに支給される2次手数料をなくすことをいう。通常、NFTは再販売されるたびに一定収益がアーティストにロイヤリティとして支給される。

 しかし、NFTを発行して販売する大企業が増えて、企業にも再販売される度にロイヤリティを与えるのは不当だという指摘が出た。また、NFT保有者が購入価格より低くNFTを売る場合にも原作者にはロイヤリティが支給されるのが矛盾しているとの指摘も提起された。ロイヤリティフリー政策が導入された背景だ。

 これについて、デビン・フィンザーCEOは「個人クリエイターは依然としてロイヤリティを受け取りたがるので、マーケットプレイスの立場でもロイヤリティをなくしてしまうのは大きな挑戦」とし「Openseaはクリエイターはもちろん購入者の立場も考えながら、色々なプレーヤーの需要を充足させる方向で慎重に接近するだろう」と語った。

 続けて「ロイヤリティが消えたり減ったりしても、クリエイターが金を稼げる追加的な方法も考慮している」と付け加えた。

2022/11/08 14:15
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